前回の続き。
前回の記事→「転職のためにTOEICで高得点を取りたい」という相談に私ならこう答える
「転職のためにTOEICで高得点を取りたい」という相談に対して、英語学習者&英語学校経営者の視点でお答えします。
まず、結論。
英語力をつけたいのであれば、TOEICは手段としては賛成ですが、ゴールとしては賛成できません。
そして、理由。
・TOEICには、基本的にリスニングとリーディングしかない。
*TOEIC SWという試験もありますが、受験者は圧倒的に少ない。
・TOEICのリスニング試験のスピードは遅い。おそらく、あれが全部聞こえるようになっただけでは「現場」では対応できない。
・TOEICのリスニング試験は、すべて聞き取れなくても正答できる。やはり、三択・四択といったマークシートだからか。
・私は具体的に下記のような人にあったことがある。
(1) TOEIC 900点台なのに、英会話はさっぱり → 2名
(2) TOEIC 800点台なのに、少し早い英語教材を聞かせたところほとんど理解できない → 2名
おそらく、転職のためにTOEICを勉強する人にとっての「英語力をつける」ことの定義は、「仕事で英語をつかえるレベルになる」ことだと思うのです。つまり、相手の言うことが理解できて、それに対して「話す」なり「書く」なりで、的確に返すことができること。そう考えると、やはりTOEIC高得点とこの定義はどうしても結びつかないのです。
一方で、手段としてTOEICを勉強することは賛成です。最近トイックを教える必要があり、一通りの問題に目を通してみました。なるほど、よくできた試験ですね。
TOEICを勉強することで、基本的な語彙や文法は十分におさえることができるでしょう。また、リスニングの勉強にもTOEICの音源のスピードはあまり早くないので、リスニングの勉強を始める方には最適だと思います。
日本の英語の参考書は、本当に素晴らしいものが多いです。文法の参考書とか、これ以上わかりやすく説明するのは無理ってくらい丁寧で親切です。ですから、私は文法は日本の参考書で独学で勉強するのがベストと思っています。断言します!絶対にフィリピン留学のフィリピン人講師の英語の授業よりも数倍わかりやすいです。
一方で、それらの参考書についている音源CDは最悪です。理由は一つ、英語の後に日本語訳が続いていること。これでは、せっかく脳を英語に晒そうとしているのにそれを阻害してしまいます。
ということで、「適度なスピードで、日本語訳のない英語の音源」を探し続けていたところ、最後に辿りついたのがTOEICのリスニングのCDだったのです。
ということで、TOEICの勉強をすることは賛成です。
しかし、TOEICの勉強だけでは、スピーキングやライティングのトレーニングにはならないのです。そこで、「英語力をつける」ためには他の勉強が必要になります。
次回は、私の独断と偏見のオススメ勉強法について書いてみます。
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